続†素顔の先輩と甘い休息
「あの全校生徒がいた体育館で、堂々と翠央を攫っちまうんだもんな…。」
私も暁の隣にちょこんと立って、新聞に大きく写る匠先輩を見上げた。
「俺……、あの時…まさか相沢先輩が翠央のところに来るなんて、思わなかったからビックリした…。いきなり翠央を抱きかかえた時は悔しかったけど、何も言えなかったよ……。」
暁の横顔は笑顔だけど、どこか切なさを帯びている…。
暁の気持ちが胸に刺さるよ…。
視線を下へと逸らしてキュッと唇を結んでいた私の頭に、大きな暁の手が優しく覆いかぶさった。