暗黒時代
「そろそろ地区大会がここらであるそうっすよ! 金ヅルいっぱいみたいなんで、さっさと場所とりを…」
「どこの部だよ? 部によって所持金もバラバラだしな…」
「男バスと女テニ!」

恭佐の方は、にやけた顔をしたものの、一輝は期待外れのようで溜め息をついた。

「嫌っすか?」
「…金は微妙だが…あと人数だな…」
「大丈夫ですよ! バスケって結構人数多いじゃないですか」

そうかい、とそっけなく、一輝は言葉を出すなり、再び休めていた足を進め始める。

「今日も中央の体育館で田舎の学校ですけど、バスケ部くるらしいですよ」恭佐は、にやりと笑い、鋭い眼球で一輝をみた「ざっとみつもり10万前後…」
「よくて三万だ」

一輝はそっぽを向いたまま、タバコに火をつけた。
恭佐の方は、きょとんと一輝を見つめている。
その目からは、なぜ?、という感情がうけとれた。
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