【完】最期の嘘
「もー盛り上がってる?ユータ、鼻の頭赤い。」



「あ、礼治君、こっちこっち!」



汐を送り、遅れて合流してきた礼治を優太が隣に手招きした。



「いやー、今日は俺の無茶振りに付き合ってくれてありがとうございました。」



「ホント、ぺーの意地悪。でも楽しかった。」



礼治は順平に軽く返事を返すと、店員が持ってきたお冷やと順平の烏龍茶で乾杯する。



「ユータ、ちゃんと、しー送ったからね。」



「しー?…ああ、汐ちゃんか。サンキューな。」



全く、変なあだ名付けるから一瞬分からなかったし。



優太は相変わらずマイペースな礼治に苦笑し、焼けた肉に箸を伸ばした。
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