ずっと大好き…この恋は秘密 …



誘拐って…


案外簡単なんだな。



まさかこんなにすんなり…


なんか武道でもたしなんどけばよかった。



…一生懸命通いつめた書道も水泳も何の役にもたたないし。



ピアス男は鼻歌を歌いながら交差点を左折する。




…ってゆうかなんであたし?


どうせなら美咲んちのほうがお金あるよ。

自営だし、一人っ子だし…


でも美咲は剣道やってて強いけど…





みのりが流れる景色を見つめ続ける。




…道順を覚えておけば
いざという時逃げられる。


ケータイだけ取り返せれば…



みのりは横目でピアス男の様子をうかがう。


きれいな金髪も美容師と聞けば納得できた。





…お財布

いくら入ってたっけ…


それで解放してくれるかな…




ドキドキしっぱなしの心臓が飛び出しそうだった。


震えで呼吸もうまくできない。





もし…

もし殺されたら…




みのりがそんな不安に顔を青ざめさせていた時

車が止まった。


「ついたよ」


ピアス男が車を降りたので
みのりも車から降りる。



「…病院?」


目の前の大きな総合病院に
みのりの思考回路が追いつかず

逃げることも忘れて
ただ呆然と病院を見つめた。





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