ずっと大好き…この恋は秘密 …

互いの気持ち


エレベーターから降りると
すぐ左に315号室があった。






…本当にこんなところに浅井さんがいるの?


やっぱり違うんじゃ…





先に部屋に入ったピアス男が
突然表情を緩めて話し出した。


「遼兄、連れてきたよ。

みのりちゃん」


「ありがとな、悟」






―――…っ





部屋の中から聞こえたのは…

まぎれもなく浅井の声だった。



その声に…

みのりが少し緊張しながら部屋の中を覗く。





4人部屋の左奥に



浅井の姿があった。







「佐倉、そんなとこ突っ立ってないでこっち来い(笑)」






…浅井さん


本当に浅井さんだ…




でもなんで…





みのりが戸惑いながら浅井のベッドに近づいた。


少しだけ足が震えていた。


「悪かったな、いきなり悟が行ってびっくりしたろ(笑)」




悟…?




「みのりちゃん、オレの事自転車泥棒だと思ってたよ(笑)」


笑ったピアス男を見て…

ピアス男が『悟』だということに気づいた。




そういえばそんな事言ってたっけ…





「遼兄、いきなり頼むから連れてきてくれなんて言っちゃってさぁ…


つぅかオレ邪魔?

ちょっと外してよっかな」


悟がニコニコしながら
みのりの肩をポンと軽く叩いて部屋から出て行った。




急に二人きりにされて…

緊張と動揺でなかなか言葉がでない。




俯くみのりの目に
浅井の腕の湿布が映った。





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