ずっと大好き…この恋は秘密 …


「浅井さん、なんでこんなとこに…?」


驚いている様子のみのりに
浅井が笑って答える。


「事故に巻き込まれちゃってさ(笑)

幸い打撲だけですんだけど」



浅井の言葉にほっとした途端…

昨日の事が頭に浮かんだ。



みのりが浅井に背中を向ける。



「佐倉?」


「それで…何の用ですか?

…話ならもう…


昨日メールした通りです。
あたしちゃんと納得してますから…」


カバンを抱きしめながら言うみのりに浅井が聞き返す。


「メールって…?」


「だからっ…

『サヨナラ』って…

だって浅井さん最初からあたしに諦めさせる為に来ないつもりだったんでしょ…?


あたしっ…

もうつきまとったりしませんから…



だから…」


「ちょっと待てよ…

オレ行くつもりだったよ。


公園行く途中で事故ったんだよ」



思いがけない浅井の言葉に…

みのりは浅井を振り返った。



「ごめんな、約束破って…

目が覚めたら今朝でさ。


ケータイも壊れてて連絡できなくて…

それで悟に行ってもらったんだ」



浅井がみのりを見ながら優しく笑う。




…うそ




「浅井さん…

来てくれようとしてたの…?」


「当たり前だろ(笑)

オレから約束しただろ」





別に裏切られたなんて思ってなかったけど…


約束を


あたしとの約束を破られた事が悲しかった。



でも

浅井さんはちゃんと向かっててくれたんだ…


あの公園に…








『サヨナラ』を言うために…










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