ずっと大好き…この恋は秘密 …


「なんだ…

あたし…
てっきり浅井さんは来ないつもりだったんだと思って…

…もう会うのも嫌なのかと思ってショックだったのに…」


みのりが力の抜けたようにベッドの脇のイスに座った。


ポスンと音がしそうなほど力なく座り込んだみのりに
浅井が口を開く。



「…オレそんな事一言も言ってないよな?

…つぅか

『サヨナラ』って何?」


少し低いトーンの声に
緊張しながらみのりが口を開く。


「何って…

浅井さんとは…
もう会わないって事です…」


目を合わせないみのりの手を浅井が握った。


浅井の行動に

みのりの体が小さくすくんだ。


「浅…」


「佐倉は…もう会いたくないって事?」


顔をあげると
真剣な顔をした浅井がいて…








…なんでそんな事聞くの?


そんな目で見られたら…


うそ

つけないよ…





みのりが唇をかみ締めて…

顔をしかめる。


「…会いたいっ

会いたいに決まってるじゃないですかっ

だけど浅井さんは…」


「…オレが『結婚』してるから?」


少し目が潤んでいるみのりを見つめて

浅井が話し出した。


「なんかおまえ勘違いしてるみたいだけど…

オレの話はおまえと離れるとか、そうゆう話じゃない。


…オレと沙紀の事」


「…沙紀?」


浅井が少し気まずげに笑う。


「…オレの嫁さん」


初めて触れる
浅井のプライベートに

みのりは少し動揺していた。





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