ずっと大好き…この恋は秘密 …
涙をポロポロこぼすみのりを見て、浅井が笑う。
「泣くなよ(笑)」
そう言って自分の服の袖で
みのりの涙を拭いた。
「…悟探しに行くか」
「あ、そうですね」
すっかり忘れていた悟の存在を思い出し
みのりがイスから立ち上がる。
ベッドから降りた浅井が…
少しバランスを崩した。
「…大丈夫ですか?」
支えたみのりに浅井はニヤリと笑って…
みのりを抱きしめて…
耳元で言う。
「…ごめん、うそ(笑)」
バランスを崩したのが本当かどうかより
浅井に抱きしめられてる今の状態がうそなんじゃないかと不安になって…
みのりは何度もまばたきをして確認した。
胸のドキドキが大きすぎて
近すぎる浅井に伝わってしまいそうで…
みのりが口を開いた。
「あ、浅井さ…
悟君探しに行かないと…」
「…まだいいよ」
耳元で聞こえる浅井の声が
余計にみのりをドキドキさせる。
浅井の肩越しに白いカーテンが風で揺れている。
落ち掛けているあんなにまぶしかった太陽
浅井さん以外埋まっていないベッド…
誰かが廊下を歩くキュキュッという音…
浅井さんの腕の強さ…
体温…
初めて抱きしめられた腕の中は
いつものタバコじゃなくて
湿布の匂いがした。
その匂いに
なんだか少しだけ気持ちが落ち着いた。
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