ずっと大好き…この恋は秘密 …


浅井の言葉を
沙紀は少しうつむいて聞いていた。


「…沙紀、ごめん。

全部オレが…」


「謝らないでっ!

…謝らないでよ。


あたし謝って欲しいんじゃない…」


浅井と目を合わせようとしない沙紀は相変わらず俯いたままだった。


そんな沙紀に浅井がゆっくりと続ける。


「沙紀…

どっちにしたってオレ達はもうダメだ…

おまえだって彼氏がいるのになんで結婚にこだわるんだよ。

結婚なんて…

オレ達にはあってないようなもんだったろ?」


何を言っても全てが自己弁護にしか聞こえなくて

浅井は話しながら少しつらくなった。


2年前の…

自分の甘さを後悔していた。



沙紀のわがままを断りきれずにバイクに乗せたこと。

沙紀の言うままに結婚したこと。


事故から立ち直る事に…

うまくいっていなかった家族と向き合う事から逃げたこと…


一つでも違っていれば…

沙紀もみのりも傷つけずにすんだかと思うと胸が痛かった。



「…好きな子でもできた?」


沙紀は浅井の問いかけには答えずに
浅井に聞き返した。


浅井が少し黙った後口を開く。



「…あぁ」


「…なんで?」


俯いていた沙紀が初めて顔をあげた。


「あたしの事は好きになってくれなかったのに…

なんで他の子好きになるの?!」


「ごめん…

でも沙紀だって別にオレの事…」


「…好きだった」


小さな声で言った沙紀の言葉に

浅井は頭が真っ白になった。





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