ずっと大好き…この恋は秘密 …

「あたしは…あの事故の前から遼太が好きだったよ…」


睨みつけるような目で浅井を見ながら沙紀が続ける。


「あの時の彼氏はあたしの方から振ったの…

遼太には振られたって嘘ついたけど…」


「なんで嘘なんか…」


浅井は動揺してあまり働かない頭で沙紀の言葉を必死で理解しようとしていた。


でも聞けば聞くほど浅井の知らなかった事実が沙紀の口から話される。



「だってっ…

そうすれば遼太は責任感じて一緒にいてくれるって思ったから…

それまで何回も付き合おうって言ったのに遼太はまったく相手にしてくれなかったから…


だから…」


そこまで言って沙紀が再び少し俯いた。



『ね、あたし達付き合ったら絶対うまくいくよ？』


あの頃…

確かに何回かそんなような事を沙紀に言われていた。


でも気の多い沙紀の言葉は冗談としかとれなかったし

沙紀には彼氏もいた。


そんな状況で言われた言葉が本気とはどうしてもとれなかった。



浅井が唖然としながら
口を開く。


「…だっておまえ彼氏いたろ。

それに男友達みんなに気ぃもたせるような事言ってたし…」


「真剣に告白したら振られるのわかってたし…

遼太に振られて１人になるの嫌だったから…
みんなに同じように事言ってたの…

そうすれば…遼太に振られたってすぐ新しい男作れるから…」



あまりに勝手な沙紀の言葉に浅井は返す言葉もなかった。





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