ずっと大好き…この恋は秘密 …



「あ〜…雨降ってるし」


バイトが終わり外に出ると静かに雨が降っていた。


たまに吹く風が雨を飛ばしている。





…自転車で来ちゃったし

濡れて帰るしかないか…




そんな事を思いながらみのりが駐輪場に行こうとした時、後ろから声をかけられた。


「佐倉、乗っけてってやるよ」


振り向くと車の鍵を指先でクルクル回す圭司の姿があった。


「あ、いいよ。

自転車置きっぱなしにする訳にも行かないし」


「そんなん明日取りにくりゃいいだろ」





…まぁそうなんだけど。


浅井さん以外の男の人の助手席には…

あまり乗りたくないような…





「ほら、早く行くぞっ」


考え込んでるみのりにそう言うと
圭司は返事も待たずに本屋の裏に止めてある車に乗り込んだ。


せっかくの圭司の好意を断るわけにもいかず

みのりも少し躊躇しながら車に乗った。


「小学校の近くなんだけど…」


「あぁ、住所でだいたい分かるから。

近くなったら教えて」



圭司がハンドルを握る車は
少し香水の匂いがした。




…浅井さんの車とは違う匂い




浅井の車の匂いを思いだそうとしていると

匂いより先に昨日の車の中でのキスが先に頭に浮かんで…





…浅井さんって結構意地悪なのかも


昨日のキスだって…





どんどん鮮明に思い出してしまって

みのりは顔を赤くした。


「…何照れてんの?」


忘れかけていた圭司の存在を思い出し

みのりは慌てて答える。


「照れてないっ…

ちょっと考え事してただけ」



赤い顔を隠しながら言うみのりを見て

少ししてから圭司が口を開いた。





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