ずっと大好き…この恋は秘密 …



「これからケーキ作るんだ」


お昼に入ったファミレスでみのりがピラフを食べながら言った言葉に祐が驚いた。


喫煙室から一番遠い席に案内されたため
タバコの匂いはしなかった。


前は少しでも匂いがするだけで文句を言ってたのに…

今は好きな匂いにさえなりつつあって…


自分の単純さに少し呆れる。


「これから?!

間に合うの?」


「うん。

生地だけ焼いてきたから帰ったらデコレーションするだけだし。

甘さ控えめのチョコケーキにしたんだ〜」


うれしそうに話すみのりに祐が少し意地悪を言う。


「チョコに甘さ控えめも何もないんじゃない?(笑)」


「…ドライフルーツとかのケーキのがよかったかな?!

…でもなんとなく地味かと思って…


どうしよう…」


急に落ち込んでしまったみのりを見て祐が笑い出した。


「ごめん、嘘(笑)

みのり見てるとつい意地悪言いたくなっちゃってさ…」


そう言いながらもまだ笑っている祐を見て

みのりは少し膨れてみせる。


「大丈夫だよ。

好きな子の手作り嫌がる男なんていないから」



『好きな子』


祐の言葉が少し引っかかりながら

みのりは曖昧に笑った。






…好きなんて

本当は一度も言われてない。



祐ちゃんや圭司くんの言葉を否定しないで

笑うだけのあたしは…


ずるいのかな…







少し曇ったみのりの顔を不思議そうに見ていた祐に

みのりはもう一度笑って見せた。



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