ずっと大好き…この恋は秘密 …

誕生日パーティー




「祐ちゃんっ」


土曜日の午前中、みのりは駅で祐と待ち合わせをしていた。


10時という早い時間に待ち合わせしたせいか

街中もまだ人がまばらで歩きやすくて気分がいい。


「とりあえず内定おめでとっ」


祐の言葉にみのりが笑顔で答える。



「ありがと!

これでようやく自由だよ〜…

祐ちゃんはもうちょっとで試験だよね?」



一昨日、職員室に呼ばれて、
みのりは担任から『採用』と書かれた合格通知を受け取っていた。




「…あたしも早くも自由になりたいよ。

機嫌いいねぇ?

そんなにうれしい?」


隣で少し呆れたように笑う祐にみのりは満面の笑みで答える。


「だって今日、誕生日パーティーだもんっ」


一昨日、合格通知を受け取っていた時に悟からメールが入った。


バイブだったがポケットのケータイに気づかれないか少しヒヤヒヤしながらみのりは職員室を後にした。




From.悟くん
Sub.遼兄の誕生日
――――――――――

土日、遼兄に休みとってもらえたから土曜の夜からパーティーするよ〜。

オレも休みとれたし、超楽しみ!
18時に迎えに行くからね。

――――――――――




ぶっちゃけ合格通知と同じくらい嬉しかったメールを祐に見せつける。



「…そっちか(笑)

だから誕生日プレゼント選ぶの付き合えって?」


音符でも見えてきそうなほどのご機嫌なみのりの横顔に祐が言う。


「うんっ

いいじゃん、合格祝で付き合ってよ」


「付き合うだけでいいの?

…合格祝でお昼おごろうかと思ってたのになぁ?」


祐の言葉にみのりが目を輝かせながら

祐の腕に飛びついた。


「今日は幸せすぎるかも…」


「頑張ったご褒美じゃない?」


祐の言葉にみのりは祐を見上げて

また笑顔になった。





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