ずっと大好き…この恋は秘密 …


「じゃあ明日は高速だな。

頑張れよ」


そう言って先生が手帳を返す。



なぜだかおじさん受けのいいみのりは

どの先生にもわりとよくしてもらっていた。



先生の言葉にみのりも笑顔でうなづいた。







連続で予約が取れなかったため

1時間の空き時間があった。


大体連続で取れていたが
たまに空き時間があると

教習所のロビーで過ごしていた。



「あ、美香」


ロビーの椅子に本を片手に座る美香の姿があった。



「おはよ〜」


美香に笑顔を返しながら
みのりが隣に座る。



「空き時間?」


「そ。

2時間も(笑)

でも帰るのも面倒だしね」


「だね(笑)」



文庫本を読む美香の隣で
みのりは退屈そうに教本を開く。


もともと読書家でもないし
教本なんか見るつもりはなかったが…

本を見ているフリをするために教本を顔を隠すように持つ。



そして自分のデスクに座っている浅井を見つめた。




空き時間なのか
ベルが鳴っても座ったままの浅井を

教本の上から盗み見する。





バレないように見つめてるのに…




気づいてほしいような…


気づいてほしくないような…



なんとも言えない気持ちがみのりの心を揺らしていた。





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