ずっと大好き…この恋は秘密 …



バイトを終えてケータイを見るとメールが入っていることに気がついた。



from.浅井さん
sub.
――――――――――
バイト、何もなかった?

――――――――――





絵文字も何もないメールにみのりは思わず笑った。




…これだけ?(笑)


27歳だし、あんまメールとかしない世代なのかな…(笑)


こんな事言ったら浅井さん拗ねそうだけど(笑)





意外と子供っぽい浅井を思い浮かべてみのりの顔が緩む。







…つらいばっかりじゃないんだよ。


うれしいこともちゃんとあるんだから…



みのりが返信画面を開いた。





to.浅井さん
sub.
――――――――――

何もなかったです。
心配させちゃってすみません。

でもうれしいです。

――――――――――





理由がなくたっていい。


ただ浅井さんの頭の中に
少しでもあたしの場所があるならそれでいい。



さっきのメールは

浅井さんがあたしを考えてくれた証拠。









そう思って…

みのりも少しだけ勇気を出した。




メールの最後に


『浅井さんの優しいトコロ好きです』


何度もクリアキーと送信の上を親指が行き来する。


浅井の反応が恐くて…

不安で胸がいっぱいだった。









でも…


あたしの本当の気持ちだもん。



もう…

隠しきれないよ…




少しでもいいから受け取って…



返事なんかいらない…


浅井さんに届けばそれでいいから…











目を閉じてメールを送信した。


たくさんの『好き』を隠したメール。



みのりは送信された画面を見て

少しだけほっとした。






.
< 259 / 475 >

この作品をシェア

pagetop