ずっと大好き…この恋は秘密 …


浅井が横目でチラッとみのりを見た。



膝の上で握った手が涙で濡れて震えていた。




浅井の胸が締め付けられる。




思わず抱き寄せようと動いてしまった手を握りしめてハンドルを持つ。


エンジンをかけて車を走らせた。



「…っ……」



隣から聞こえてくるみのりの泣き声を聞きながら
みのりの家までの道を走る。



途中何度も車を止めたくなった。



車を止めて…

みのりを抱きしめたくなった。





その度に


ギリギリの理性が浅井を止める。







佐倉が大切だから…



だから


こうするしか…

ないんだよ。





ごめん…



ごめんな…


佐倉。





何度も傷つけてごめん…



何度も泣かせてごめん…




一回も『好き』って言ってやれなくてごめん…









佐倉、


好きだよ…













…愛してる。











愛してる…
















…誰よりも。
























.
< 268 / 475 >

この作品をシェア

pagetop