ずっと大好き…この恋は秘密 …
9..想いが伝わる時

渡せないケーキ



12月24日


クラスの女の子達のはじゃぎ方がピークに達していた。


そんな女の子を見て里奈が顔を歪ませる。


「あたしなんか教習なのに…」


文句を言う里奈にみのりが口を開いた。


「里奈。

あたしも今日勝負かけるよ」


「えぇっ!

…本当に?!」


大声で驚く里奈にクスクス笑いながらみのりが頷く。


「あたしも今日教習所行って浅井さんに会う。

…もう一回告白する」


微笑みながら言うみのりの背中を里奈が元気よく叩いた。


「頑張れ!!

愚痴はまたドーナツ食べながら聞いてあげるから!

思いっきりぶつけてきなよ!」


弾けんばかりの笑顔で言う里奈に
みのりも負けじと笑顔を返した。



『終業式を始めますので生徒は体育館に集まって下さい』


放送が入り生徒が体育館に移動する。


クリスマスイヴにまで学校なんてとみんなが文句を言っていた。


みのりも他の生徒のおしゃべりにこっそり頷きながら校長の話を聞いてた。









…会いに行くのは夜。


バイトが13時から16時まで入ってるからそれから…



あたしが会いにいったら浅井さんは困った顔をするのかな…


『なんで来るんだよ』

『しつこい女だな』


ひどい言葉が頭に浮かぶ。





浅井さんはそんな事言わない。





でも…恐い。




考えるだけで足が震える。



だけど…


今日を逃したらきっと言えない。



クリスマスっていう後押しがないと…


勇気が足りない。




お願いだから…



あたしに勇気を下さい。






プレゼントなんかいらないから…




浅井さんに告白する勇気を下さい。





みのりが静かに目をつぶった時、終業式の閉会の言葉が教頭の口から告げられた。











告白まで…


あと少し。





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