ずっと大好き…この恋は秘密 …


バイト中そわそわしているみのりに圭司が声をかけた。


「成績でも悪かった?」


圭司の言葉にみのりが少し膨れる。


「こう見えても成績はいいもん」


「じゃあなんだよ」


圭司の気持ちを知ってるだけに…

みのりは話すことを躊躇した。



だけど、圭司の気持ちに答えられないなら
ちゃんと話すのが誠意だと思って…


みのりが重い口を開く。




「この後

浅井さんに告白するの」


目を合わさずに言ったみのりを圭司が見つめる。


「…へぇ」


沈黙が重くて
みのりが圭司から離れて
仕事に戻ろうとした時



後ろから圭司の声が聞こえた。




「…もしダメだったら

オレと付き合ってよ」


圭司の言葉にみのりが圭司を振り向く。


「別にすぐに彼氏として見てくれなくていいから。

浅井をすぐに忘れろとも言わない。

リハビリに使ってくれていいからさ」





笑顔で言う圭司がなんだかとても痛々しくて…

みのりは断ることが出来なかった。




もしも同じ状況だったら…

みのりも圭司と同じように思うと思ったから…




自分を好きじゃなくても
それでも一緒にいたい。




その気持ちは痛いくらいよく知っていたから…


圭司の気持ちがそこまで大きい事に戸惑いながら
ゆっくりと頷くみのりを見て…

圭司が優しく笑う。



「約束だからな?

つぅか付き合ったら絶対オレの事好きにさせるけどな」



みのりの罪悪感が圭司の明るい笑顔に少しだけ軽くなる。



そんな罪悪感を感じながらも頭の中は告白でいっぱいだった。






浅井さんの答えを聞くのが恐いよ…


浅井さんは

あたしを見たら笑ってくれるかな…






あたしの大好きな笑顔で…



「佐倉」って

笑いかけてくれる?







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