ずっと大好き…この恋は秘密 …


「そろそろ行くか」


まだ少し笑いながら浅井が言う。


「はい」


みのりの返事を聞いて浅井が車を発車させ車線に戻る。



嘘みたいな

夢みたいなこの時間が終わるのがなんだか寂しかった。


明日目が覚めたら全部がなくなっている気がして…





全部があたしに都合のいい夢かもしれない。


サンタさんからのプレゼントで素敵な夢とかだったらどうしよう…



高3にもなってそんな不安まで抱いた。






…夢じゃないよね?


あたし

浅井さんと両思いになれたんだよね…?





少し不安になって
みのりは運転する浅井の横顔を見つめた。


みのりの視線に気づいた浅井がちらっと横目でみのりを見る。


それでもじっと見つめたままのみのりに笑いながら

浅井がみのりの手を握った。



「そんなに見んな(笑)」


照れたように笑う浅井が可愛くて…

みのりが微笑んだ。







繋いだ手があったかい…




そんな事すらうれしかった。






…もう夢でもいい。


こんなに幸せなら

夢でもいいよ。





今までで一番幸せな夢だもん…




浅井さんを好きにならなかったら見られなかった。




いっぱい泣いちゃったけど

全部浅井さんが好きだからなの。





泣いても泣いても足りないくらい悲しくさせるのも



何をしてても顔がにやけちゃうくらい嬉しくさせるのも






浅井さんだけ―――…







浅井さんだけなんだよ。






夢心地のまま

浅井の運転する車に揺られる。







とても幸せだった―――…








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