ずっと大好き…この恋は秘密 …


「あ〜…

仕事面倒くせぇなぁ…」


浅井が時計をちらっと見ながら言った。



「え…あ、そっか。

教習所は冬休みないですもんね」


みのりが洗い物をしながら返事をする。



手伝おうとする浅井を

『お願いだから座ってて』

と説得した。



少しくらいは浅井の役に立ちたかったからだったが…


前回お皿を割った事を思い出すと緊張した。


やけに力が入ってしまう。


みのりもテレビの時計に目を移すと
デジタル時計が7時10分を示していた。



ニュースの特集が

『クリスマスにまだ間に合うディナーのおいしいお店』

を放送していてついつい目が奪われる。



「休んじゃおうかな〜」


浅井が出しっぱなしになってた
バターを冷蔵庫にしまうためにキッチンに入ってきていた。


いつの間にかすぐ後ろにいた浅井にみのりが少し緊張する。


「ちゃんと行った方がいいですよ。

…もう熱もないんだし」


少しドキドキしてるみのりに気づいたのか

浅井がみのりを後ろから抱きしめた。



「ん〜…

でも今日は佐倉と一緒にいたい気分」


「浅…井さんっ

ちょっと…」


みのりが慌てて泡だらけになった手を洗おうとした時

浅井がみのりの耳にキスをした。


「ひゃ…

浅井さん!」


浅井のふいうちにみのりが肩をすくめる。



背中に浅井の体温を感じて…

冷静を装おうとしていたみのりだったが
体中の神経が背中に集中してしまっていた。





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