ずっと大好き…この恋は秘密 …


「あとはあれだね。

奥さんに離婚届書かせるだけだね」


里奈の言葉にみのりの表情から明るさが消える。


「うん…」


「でも自分は男作って家に帰らないくせに
なんで離婚しないんだろうね。

もう1年以上もでしょ?

ってゆうか普通事故に巻き込まれたからって結婚してなんて言わないよね」


みのりは頷きながら昨日浅井と話した事を思い出していた。





『沙紀はさ、オレが沙紀に夢中にならなかった事が気に入らないんだよ。

あいついつも男にちやほやされてきたから
なびかなかったオレが頭にきてんだろ。

本当にしょうがないやつだよな…』


シャンパンのグラスを眺めながら浅井さんが言った言葉…



それを聞きながらあたしが思ったのは…


沙紀さんへの疑問と

ちょっとのやきもち。


あたしの知らない時間を沙紀さんと2人で過ごしてきた浅井さん。



あたしの知らない事があるのは当たり前なんだって思うけど

それでもあたしの狭い心はやきもきしちゃう…



でもそれとは別に思った事は沙紀さんの行動への疑問。



里奈の言うとおり

自分にも彼氏がいるなら浅井さんにこだわる必要なんてないと思う。


浅井さんの言うように
気に入らないから嫌がらせしている訳でもないような…





もしかしたら沙紀さんは…



浅井さんが好きなのかな…






ふとそんな事を思いながら浅井さんのグラスにシャンパンをついだ。



だって

どんな女の子でも『結婚』は特別だと思うから。




好きじゃないならそんな事言い出さない。




でも…


じゃあなんで好きなのに家を出たの?





…浅井さんに追いかけてきて欲しかったから?




シャンパンのボトルを見つめながらぼーっとしていたら
浅井さんが不思議そうに見てた。









気づくと昨日の浅井と同じように里奈がみのりを見ていて…



「どうかした?」


そう言う里奈にみのりが曖昧に笑った。



.
< 345 / 475 >

この作品をシェア

pagetop