ずっと大好き…この恋は秘密 …



「歳明けて落ち着いたらさ

弁護士んとこ行って協議離婚の手続きとってくるよ」


急に真面目な話を始めた浅井を

みのりが驚いた顔で見つめていた。


「…協議離婚?」


聞いたことがないわけじゃかった。


でも自分には無縁だと思っていた言葉。


裁判で争って離婚を成立させる事…



「そ。

まぁ時間はかかるけど…

沙紀を待ってたんじゃいつまで経っても終わらないから…

みのりも…待たせてるままだし…


はい」


浅井に言われ、
みのりがグラスを差し出す。


浅井がみのりのグラスに日本酒をつぐ。


透明な中に金粉がチラチラ見える液体がコポコポといい音をたてる。



『やっぱり年明けは日本酒じゃないとな』


そう言ってスーパーで浅井が買ったものだった。


「でも…」





沙紀さんは…


浅井さんのこと好きなんじゃ…




「はい、みのりの番」


そう言って渡された日本酒のボトルを傾け
浅井のグラスに注いだ。


戸惑ってる様子のみのりに浅井が優しく微笑む。


「みのりは何も心配しなくていいから」


浅井が差し出したグラスに自分のグラスを合わせる。





いいのかな…


それで…



『離婚』はあたしだって心のどこかで望んでて…

それはどう言い訳しても事実で…

早く浅井さんが自由にならないかなって思ってる。





大体…

沙紀さんの本当の気持ちなんかわからないし…






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