ずっと大好き…この恋は秘密 …
11..すれ違う想い

突然の嵐…



結局寝過ごしてお昼過ぎに起きてしまったため

初詣に行くのは夕方になってしまった。


「すっげぇ混んでる…」


少し離れた神社に行くつもりで浅井の家を出たのが15時半。


1時間あれば余裕でつくハズの神社は未だに見えてこない。


車内の時計が寂しく時刻を刻む。


17時2分。


「…こっから願掛けして帰る?」


つぶやいた浅井にみのりが笑う。


「ここからで神様まで届く?(笑)」


「大丈夫じゃねぇかな(笑)

神様は神社にいるわけじゃないしな。

一生懸命願えば拾ってくれるだろ」


目の前のうんざりするほどの渋滞に目を向けた後

みのりも苦笑いしてうなづいた。



…―――パンッパンッ!

止まった車の中に2人の手を合わせる音が響く。


「給料があがりますように」


夢のない願い事を言う浅井を叩いた後

みのりも口を開く。


「…神様、
こんなとこからですみません。

……」


それだけ言ってみのりが目を閉じた。


「どうした?

願い事は?」


浅井が不思議そうにみのりに聞く。


「…内緒」


「人に言うと叶わないとかいうの信じてんだろ(笑)

本当にみのりはガキだなぁ(笑)」


笑う浅井をみのりがもう一回叩いた。





神様に伝えた事は2つ。


『このまま浅井さんとずっと一緒にいられますように…』


それともう一つは…




『神様…ごめんなさい』


お願いではなく…


謝罪だった。




『どうしても好きなんです…

許してください…』


自分勝手な言葉に…


胸が痛んだ。



浅井が車をUターンさせる。


どんどん離れていく神社を背中にして…


後ろめたさが胸を襲った。



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