ずっと大好き…この恋は秘密 …


急に背中を向けられたみのりが声をかける。


「…浅井さん?」


「……」


返事をしない浅井に少しだけ不安になって
浅井の体を軽く揺する。


「浅井さん」


それでも何も言わない浅井に
みのりが拗ねたように頬を膨らました。


もちろん背中を向けてる浅井には見えるはずもなく…





…浅井さんわざとだ。


あたしがどうするか楽しんでるんだ。



…だから

なんでいつもあたしばっかり…



自分だけ余裕な顔しちゃってずるいんだから…


でも…

今日はあたしだってもう寝ちゃうんだからっ





そんな事を思ってみのりが浅井に背中を向ける。


同じベッドにいるのに触れない肌に違和感を感じて…


背中が寒い。



くるっと浅井の方を向くと
まだ背中を向けたままの浅井の姿があって…





くっつきたい…




どうしょうもないくらいに溢れてくる感情に負け

みのりが浅井の背中にくっついた。



「浅井さん…

キスして…」


背中に顔をうずめながら言うみのりに

浅井がようやくみのりの方を向いた。


「しょうがねぇな(笑)」


そう言って笑う浅井の顔からは
やっぱり余裕が感じられる。



「…意地悪」


そんな浅井に
みのりが些細な悪口を言う。


「男はみんな意地悪なんだよ。


…好きな女の前では」


鼻で笑いながら浅井がみのりを覗き込んで…


少し顔を上げたみのりにキスをした。



少し長めのキスが終わって…

浅井がふっと笑う。


「今年初めてのキスだな(笑)」


浅井の言葉に思わずみのりも笑みをこぼした。



暗い部屋の中を
オレンジ色のライトが優しく包んでいた。




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