ずっと大好き…この恋は秘密 …


「おい〜っす」


ドアを開けると疲れた様子の悟が立っていた。


「…おまえ何疲れてんの?」


「遼兄はいいよなぁ…
冬休みなんかあってさ。

オレなんか大晦日も元旦も働いてたのに…。

ちなみに今日も明け方まで色々残業してたし…」


羨ましげに浅井を見た後、
悟は倒れ込むようにソファに座った。


「そんな疲れてんなら来るなよ(笑)」


水をヤカンに入れながら
呆れたように浅井が言うと

悟がちらっと浅井を見た。


「だって遼兄も1人じゃ暇だと思ってさぁ…

まぁ、今はみのりちゃんいるからいいけど」


「…つぅかオレもいい大人なんだし暇くらい1人でつぶせるし(笑)」


苦笑する浅井の顔を見ながら
悟が思い出したように言う。


「あっ!

そういやさ、昨日姉ちゃん来たろ!」


悟の言葉に浅井が顔をしかめながら返事をする。


「…来てないけど」


「あれ?!

でも昨日姉ちゃんいつもと違うタバコ吸ってたから気になって聞いたら

遼兄からもらったって言ってたんだけどなぁ…」



…タバコって



「…クールナイト?」



『クールナイト』

クリスマスに雪だるまのおまけがついていたタバコの名前だった。


深緑に白の文字で『KOOL』と大きく書かれていた。


浅井が寝室のテーブルに置いておいたもの―――…


「名前はわかんないけど深緑の箱だったよ」



「…何しに来たか知らないよな?」



浅井の言葉に悟が頷いた。




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