ずっと大好き…この恋は秘密 …


「みのり酔った?」


「ううん…

なんか難しい事考えすぎて疲れただけ」


「なんだよ難しい事って(笑)」


たまに頭を撫でながら浅井が笑う。



浅井の優しく撫でる手に
涙がにじんでくる。







あたしは…


この場所を


浅井さんの隣を沙紀さんに…


他の誰かに渡したくない…




勝手だってわかってる。

あたしが後から割り込んだんだから…



あたしが悪いのもわかってるよ。




だけど…


どうしても離れたくない。

失いたくないの…




浅井さんの

頭を撫でてくれる優しい手も


力強い腕も


低い甘い声も


いまだにドキドキしちゃう笑顔も…



全部…失いたくない。




ただそれだけ。




前よく友達と話してた。

好きな人へのベストの接し方…

雑誌の請け売りばかりだけど…



『男は追う方が好き』

とか

『自分から告白すると付き合ってから向こうに主導権握られちゃう』

とか。



『うまく駆け引きしないと』

とか…




でも…

そんな事考えられるのはきっと本気じゃないうちだけ。


本気になっちゃったら…



引くなんてできない。





いつもいつも一生懸命に追いかけて…



バカみたいって…

ウザイって…すごく思うけど…




でもこの気持ちだけなの。





何も持ってないあたしが
唯一誇れるもの…





自分の気持ちだけ。






その気持ちが…








大きくなりすぎて




苦しい…







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