ずっと大好き…この恋は秘密 …


「…みのり泣いてる?」


電話の向こうで黙り込んでしまったみのりに浅井が聞く。


『…ううん』


明らかに鼻声のみのりに浅井が笑う。


「うそつけ(笑)

…みのり今から出られる?」


『え…』


みのりが驚いたような声を出した。


無理は承知だった。



でも…


どうしても



「会いたいんだ…」



会って…

みのりの目を見て話したい。


抱きしめたい…



非常識なのはわかってる。


それでも…

どうしても伝えたい事があって…


どうしても消えない不安があって…


今はみのりと一緒いたい…


2人の間に

不安が入り込まないように…


みのりが泣かないように…


みのりの涙を拭いてやれるように…



でも…

無理だよな…




浅井が笑って『ごめん』と言おうとした時

みのりの声が聞こえた。



『あたしも…会いたい』


その言葉を聞いて浅井が部屋を飛び出した。





みのり…

やっぱり離れるなんて無理だ。


こんなに…

想う相手は


みのり以外考えられない…




オレのわがままでもなんでもいい。


やっぱりだめなんだ…



自分でも不思議だけど
みのり以外考えられない。






だから…

離れるなんて考えるなよ…





頼むから…





浅井の車のエンジン音が静まり返った駐車場に響き渡った。





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