王国ファンタジア【草原の民】

5



しかし、追えども追えども追いつけない。


それは、風のピューマがパンパス以上の風読みであったからだ。







―…弓でも何でも使ってごらん…―




風のピューマは、再びパンパスに呼び掛けた。




―…ただの弓じゃ僕を止められないけどね…―




そして、風のピューマは続けてそう言うのだった。















ただの弓じゃ…、それは気掛かりな言葉であった。


しかし、パンパスは言われた通り、
腰に結わえた弓を手に取り、背中に収めた矢を風のピューマ目掛けて放つのだった。


< 10 / 21 >

この作品をシェア

pagetop