王国ファンタジア【宝玉の民】
「つまり、俺にはファンタジアへ向かう権利はないってことか…」
ドルメックが軽い落胆を込めて呟く。
トールがその様子を伺い、更にドルメックに近付いて声を掛ける。
「この情報、まだ50万には足りないんですがね〜♪」
ドルメックの表情が動く。
笑みを更に深めて、トールは続けた。
ドラゴン討伐に召集されているという各種族の名を上げ始めた。
十数の種族名が上げられ、最後に間を置いて、これこそが重要と言わんばかりに付け加えた。
「…滅びたとされる【宝玉の民】。
何故か入っているんですよぉ、この召集にねぇ。
ダンナをお呼びだ」
底意地の悪い笑みを浮かべ、ドルメックの胸に指を突き付ける。