365回の軌跡
「あ…」
私はデザートを食べながら外を見て声を漏らした。
「雨だ…」
彼も外を見る。
「ごめん、オレのせいだ…」
「なんで青柳さんが謝るんですか?」
「オレ、名前の通り雨男なんだ。今日は良い日だったな~とか思うと昔から雨降ること多くてさ」
「そういえば傘貸してくれた日もどしゃ降りでしたね」
「そうだったね!あの日なんで宮川さん傘持たずに濡れながら歩いていたの?」
私は返答に困り、目を伏せた。
「ごめん、別にいいや。それよりさ、名前で呼ぼうよ!オレのことはユウでいいから、沙紀ちゃんて呼んでいい?」
私は顔を上げるとコクっと頷く。
「よし、じゃ良かったらでいいからこれから暇な時、時々今日みたいに会おうよ!いい?」
私はまた頷く。
「はい」
「やった!じゃこれ、オレのアドレス。また連絡するね!」
私達は店の前で別れた。彼は結局会計も出してくれた。
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