ロ包 ロ孝
「こいつのエロは今に始まった事じゃない。そんな与太話はともかく、今は強盗団をどうするかだ。
 そこで本題だが、今回の案件は栗原が1人でやっていた事を俺達のチームでやるって事だよな」

 栗原の顔が何故か「パッ」と明るくなる。

「便所掃除、アレ1人でやるの結構大変なんですよぉ。手伝って貰えるんすか?」

 そういう事か。

栗原のボランティア期間はあと5日残されている。奴はそれを肩替わりして貰おうという魂胆なのだ。

「馬鹿言うな! 大変だからこその罰じゃないか。俺が言ってるのは、お前がやっていた通り魔の事だよ!」

「通り魔じゃありませんって。弱きを助け、強きを挫いてたんじゃないすか! 『正義の味方』ですって」

「はいはい、そうでした。でもお前は、あの時どうやって奴らの犯行を知ったんだ?」

 ただただ正義感に燃えて佇んでいれば犯罪の方からやってくるという訳ではない。

「暗がりやひと気の少ない所をパトロールして回ってたからっすよ! 地道な努力の成果っす」

 そう言うと、栗原は憮然とした表情でそっぽを向いた。

「あの格好(バトルスーツ)でか? 良く怪しまれなかったな」

 しかし今回は、俺達3人が動き回る事になる。あれではどうしたって人目に付いてしまうだろう。

「今回、バトルスーツで練り歩くのはどうかと思うなぁ……」

「じゃあ自警団よろしく、制服を作って巡回するのはどうかしら」

 ヘルスエンジェルスやブラインドガーディアン等、屈強な男たちが町を守る為に、ボランティアで自警団を運営する。海外では良く見る光景だ。

「それはいいな。そのまま根付いてくれたりすれば、地域の安全にも繋がるしな」


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