夏の終わりに
「秋だからね」
「少し痩せた?」
貧相に見える男の肩のあたりに目をやりながら、
彼女は言葉を重ねた。
「そんなことはないと思うけど」
園田は左手で耳の上の髪を掻き上げた。
薬指のゆるい結婚指輪が鈍く光った。
ご家族、もう戻って来たのかしら。
「また逢えて良かったわ」
とクミは唐突に言ったが、
男がその言葉を誤解して
不安そうな表情で彼女を見た。
「夏、本当に終わったみたい」
せつないような寂寥感と同時に、
安堵の思いが急激にクミを包み込んだ。
‐了‐
「少し痩せた?」
貧相に見える男の肩のあたりに目をやりながら、
彼女は言葉を重ねた。
「そんなことはないと思うけど」
園田は左手で耳の上の髪を掻き上げた。
薬指のゆるい結婚指輪が鈍く光った。
ご家族、もう戻って来たのかしら。
「また逢えて良かったわ」
とクミは唐突に言ったが、
男がその言葉を誤解して
不安そうな表情で彼女を見た。
「夏、本当に終わったみたい」
せつないような寂寥感と同時に、
安堵の思いが急激にクミを包み込んだ。
‐了‐
