黒いペンキが零れた後は
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真っ黒な世界。
それが、ぼくの世界。
ぼくの世界は、真っ黒け。
朝になっても、昼になっても、真っ黒。
もちろん、夜も真っ黒だ。
太陽も星も月も、真っ黒だから見えるはずがない。
ぼくは、自分の家がどんななのかを知らない。
さっき食べたクルミパンも、どんななのか知らない。
見えないから、知らない。
この世界じゃ、目は必要ない。
耳さえ聞こえれば、それでいい。
全ての情報は、ラジオと手のひらから。
でも・・・目って、どんなもの?
ぼくの目は、ちゃんと見えるの?
分からない。分からない。
それが、ぼくの世界。
ぼくの世界は、真っ黒け。
朝になっても、昼になっても、真っ黒。
もちろん、夜も真っ黒だ。
太陽も星も月も、真っ黒だから見えるはずがない。
ぼくは、自分の家がどんななのかを知らない。
さっき食べたクルミパンも、どんななのか知らない。
見えないから、知らない。
この世界じゃ、目は必要ない。
耳さえ聞こえれば、それでいい。
全ての情報は、ラジオと手のひらから。
でも・・・目って、どんなもの?
ぼくの目は、ちゃんと見えるの?
分からない。分からない。