『縛』

/核心と確信

人の気配で、
目を覚ます。

見慣れぬ天井。

甘い匂いのする布団。



ああ・・・

サラの部屋だ。


昨日、転がり込んだんだっけ。

無理矢理、起こして。



って、
マズイよな。俺の行動。

タブロイド誌に見つかったら、
ただのストーカーだよな。


頭では、わかってる。
でも、
メールをみただけで
もう、押さえがきかなくて。


これでも、可能なかぎりの
激情をセーブしている。


特に、性欲の方。


限界値を、何度
越えかけただろう?


一緒にいなければ
どうにかなるかと思ったけど、
全く効果なし、だった。


キスやハグで、
たかぶるんだ思ってたけど

ちがった。


それすらも出来ない状況が
こんなに苦しいなんて。


一体、何なんだよ。



デキねー事を、
脳が哀れに思って、
サラを神聖化したんだろうか?


俺には、どうしようもなくて


抱けないって


惚れた相手を
抱けないって


こんな辛い事だったんだ。





 
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