『縛』
『いつまで腐ってんの?志央。

フランソワは、貴方が、
物凄い才能の持ち主だって、
除名危機の貴方の居場所を
作るために、
先生や、クラスメートの説得に
時間を費やしていたそうよ。

半端ばっかで、
あんた、はずかしくないの?』

それは、
日頃、人の顔色を伺って
生きてる美穂からは、
想像すらできない強い口調で
告げられた戒めで、
正直、驚いた事を、
覚えている。

余談ではあるが、
従兄弟だけあって、
アイツも俺に負けずと劣らぬ
派手な容姿だ。

肩を落としつつ、
二人並んで家路につく途中
揃って、人生で何十回目かの
スカウトに合った。


それが、
発想のきっかけとなって、
俺は、
高校生ながらに、
私設事務所を設立した。


好きなスタイルで、
好きな音楽をやるために。

 
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