『縛』
 

そう・・だけど・・・。


この子・・・?

この面影・・・


まさか・・・!?


「やっ・・やまもと君?!」




「マジッ?!スゲーッ!!
サラ先輩なんだっ?!

え?何で?

何で?志央といるのっ?!」

飛び上がらんばかりの、
偶然の再会の様子を、
良く似た従兄弟達が、
あっけにとられて、
見守っていた。



「なるほど・・・
佐伯さんの恋人は、
山本君だったんだ・・・。」

おそばせながら、
二人の関係を聞いて、
何で、ここに、
山本君がいるかを理解した。

「いや、びっくりしたよな。」

「ホント、私って凄くない?!」

佐伯さんは、
自分の、交遊関係に、
自画自賛している。


ありえない程の偶然に、
私たちは、ちょっと
興奮気味になり、
繋がれた手の事も、
忘れてしまっていた。


痛ッ・・・



無言で加えられる力。


志央が、
ご機嫌を損ねているのが
見てとれた。


「ああ、そだ。
それの事だよ。志央。」

山本君が、私の視線の
動きを追って、
志央に答える様促す。

「サラに、触れていたいから。」


彼は、先ほどからの、表情を
崩す事なく、飄々といった。



 
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