『縛』
一目惚れ・・・


歳と経験が重なるほど、
人を見抜く眼が養われるため
しやすくなるって
聞いた事がある。


自分が・・・


こんなマッハで、
はまる事があるなんて
思わなかった。



だって


外見だけで
何を判断するんだ?
って。

くだらないけど、
それなりに楽しみの相手を
勤めるってんなら、
別に面倒がなくていいやって。


俺は、ずっと、


取り巻くオンナ達を、
嘲笑してたんだから。



「じゃあ、私、終電近いし
そろそろ帰るよ。」

いつの間にか、テーブルは
グラスを残して片付け
られていた。


どれだけ、
自分の世界に
浸っていたんだか・・・


呆れ返る。


「俺、送ってくるわ。」

無言の俺をチラッとみて
山本が美穂に言った。

「いいよ。駅、すぐそこだし。
大丈夫よ。」

サラは言って、
身支度を整えた。

「ダメよ。
なんかあったら困るもの。
お手数ですが、お家についたら
御一報お願いしますね。」

美穂が、そう言って、
何か紙切れを渡した。

サラは、二つ折れの
それの中身を確認して、
OKって、ニッコリ笑った。


 
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