愛は要らない


頭を抱えたまま、綾野はトイレを出る

手帳を閉じて、寝室の引き出しに押し込む


「確かめてみた方が、いいのかな・・・?」


今は、産婦人科に行かなくても、分かる方法がある

試したことはないが


「ここで一番近い薬局は・・・」

「綾野?何してるんだ?」

「キャアッ!!!」


背後から突然声をかけられて、綾野は持っていた財布を落とす


「どこかへ、買い物?一緒に行こうか?」

「い、いつからそこに・・・?」


< 191 / 331 >

この作品をシェア

pagetop