愛は要らない


専務室には、先客が来ていた


「結子、その子は?・・・もしかして、遥の奥さん?」


その女性は、綾野の姿を見ると、すぐに結子に聞いた


「はい。西園寺 綾野さまです」

「そう・・・。倉木 楓と言います。よろしくね?」


握手を求められて、綾野は戸惑いながらも手を差し出す


(・・・・・・楓?)


聞いたことのある名前に、綾野は考え込む


「どうしたの?座りましょう?」

「あ、はい」


結子はいつの間にかいなくなっており、綾野は楓と2人きりになる


< 232 / 331 >

この作品をシェア

pagetop