愛は要らない
専務室には、先客が来ていた
「結子、その子は?・・・もしかして、遥の奥さん?」
その女性は、綾野の姿を見ると、すぐに結子に聞いた
「はい。西園寺 綾野さまです」
「そう・・・。倉木 楓と言います。よろしくね?」
握手を求められて、綾野は戸惑いながらも手を差し出す
(・・・・・・楓?)
聞いたことのある名前に、綾野は考え込む
「どうしたの?座りましょう?」
「あ、はい」
結子はいつの間にかいなくなっており、綾野は楓と2人きりになる