愛は要らない
待っていようと思えば、待っていれた
けれど、待ちたい、と思わなかった
(あの時、彼女は僕より夢を選んだ。その時点で、決まってしまったんだ)
後悔はしていない
ただ、懐かしい、という気持ちだけ
「・・・う、ん・・・」
「あぁ、ごめん。起こしてしまったね」
まだ、起きるには早すぎる時間
目覚めた綾野が、遥を見上げる
「早い、ですね・・・」
「・・・うん」
遥は綾野の髪をゆっくり撫でて、もう一度横になる