逢瀬を重ね、君を愛す


最近、高級な布にも慣れてきた。
もう針を突き刺せるし、ハサミで切り刻むこともできる。

それでも、やってしまった感は残る。


「ちょ…出来た。出来たよ、桜乃!!!」


手元に出来上がった小さな巾着がある。

形はいびつだが、そんなに酷くない。


「出来てる!!やったわ彩音!!」


思わず笑顔でハイタッチする。

< 60 / 159 >

この作品をシェア

pagetop