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「……なぁ康太。琴菜ちゃん遅くない?」
頭の中でやっていた科学のテストの自己採点を止め、携帯を見た。
30分ほど経っていたことに驚き、慌てた。
「たしかに、どっかで転んでないといいけど…」
「なにそれ?もしくは迷子とか~?」
海示が面白そうに笑う。
笑い事じゃない。
琴菜は昔から自分が目を離した隙にいろいろやらかしてくれるのだ。
所謂前科持ち。
小学生の頃は、授業中にいなくなり。焦った先生と康太が必死で探すと何故か校長室で校長と仲良くお茶を飲んでいた。
中学の時は、転んで廊下に飾られていた舶来の花瓶を割るし。校内で迷子になるし…。
挙げ句の果てに、図書室で本の山に潰されていたこともある。
いくつか海示に話してやると、事の重大さがわかったらしい。
「早く見つけないと…」
2人して頭を抱えると、声をかけられた。
「あ!いた。おい2人とも」
「わ!また菅ちゃんかよ」