王国ファンタジア【流浪の民】
 キョトンとするベリルに、ドルメックはそれよりも目を丸くした。

「でも今っ」
「ああ……」

 ベリルは小さく声を上げ、説明した。

「協力してもらっただけだ」
「! 協力?」

 エメラルドをドルメックに返しながら、

「核石とは人の命であり心であったものだ。そこには意志が宿っている。なので、彼女に協力願ったという訳だ」

 言いながら、手に持っていた宝石を元に戻す。

「えっ!? おい……」

「それは魔法を増幅させるものだ。それでそこにあるアイテムの力も増幅された」

「いや、そうじゃなくて……」

「それはお前が持っていろ。使いたい時に使わせてもらう」

「だああぁぁ~! だからっそういうんじゃないって言ってんだろっ」

 ドルメックは業を煮やし、バババ! っとアイテムを直感で選んだ。
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