王国ファンタジア【流浪の民】
2人は周りの雰囲気と、ドラゴンの迫力に圧倒されているようだった。

 ファゴットとオーボエを握りしめている。

 ベリルは2人に近付き、ゆっくりと説明を始めた。

「これから唄が流れる。お前たちはその唄にメロディを乗せろ」

「唄……ですか?」

 その言葉に、キリーラは唄詠の民の事を思い起こした。

「その唄は士気を高めるものだ。お前たちの演奏で、それはさらに増大される」

 唄詠のイースのいる位置と音楽のキリーラたちのいる位置は丁度、正反対になる。

 それは共鳴を起こし、効果は何倍にもなるだろう。

「ドラゴンの攻撃に注意してくれ」
「ま、まかせてください!」

 キリーラは初めて覇気のある声を出した。

 ここで逃げちゃいけないんだ……私たちの演奏で、みんなが強くなる。

 キリーラの強い眼差しに、ベリルは勇気づけるように笑った。
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