王国ファンタジア【流浪の民】
 目の前に置かれたカップを見つめる3人。

「これ何ですか?」
「チョコミントだってさ」

 コップを握ってユリエスが首をかしげた。

 セシエルが説明しながら、お菓子の入った皿をテーブルの中央に置く。

「ミントティーをアレンジして、ベリルが作ったの」

 暖かな湯気が立つ。

「……」

 エナはキッチンをじっと見つめて、これから出てくるアップルパイを待った。

“コンコンコン”

「どうぞ~」

 今度はそれを聞いてからドアが開かれた。その人物はドルメック。

「あれ、どうしたの?」
「いや……なんとなく」

 セシエルは3人に一端、立つようにうながしテーブルをベッドに近づける。

 これでベッドに3人座る事が出来る。

「昨日、レインて子を呼び出しただろ」

 あれが気になってさ。

「あ~そうだったね」
「まだ来てないみたいだな」
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