王国ファンタジア【流浪の民】
自然な問いかけに、ベリルは青年を見据える。
「簡単な事だよ。銃の向けられている方向を見れば、どこに弾が放たれるのか解る。そこにいなければ良い」
手練れの戦士なら、それが可能だ。しれっと言ってのける。
「銃にはクロスボウと同様に反動があるが、火薬を使うためにそれよりもきつい反動がある。それに加えてその重量では、身軽な戦士には当たらんよ」
そして、
「正直、自分の武器がドラゴンに利くとは思っていないのだろう?」
「! それ、は……」
「私も同じ気持ちだ」
素直なベリルの言葉に驚く。
「人が築き上げてきたもの。ドラゴンはそれを一瞬で消し去るだろう」
そうして、いくつもの集落、民族が滅びている。
「人が築いてきたもので対抗出来るのか、不安ではある。だが、それを成さねば勝利は無い」
ベリルは、そのエメラルドの瞳を一度閉じリエルに目を向けた。
「私の力もお前の武器も、魔法も特殊な力も人が長きに生きてきた証だ。長所も短所も許容したうえで尊重せねばならない」
道具は道具でしか成り得ない。
そこに、人の感情が加わった時……道具は初めて善と悪を成す。
「簡単な事だよ。銃の向けられている方向を見れば、どこに弾が放たれるのか解る。そこにいなければ良い」
手練れの戦士なら、それが可能だ。しれっと言ってのける。
「銃にはクロスボウと同様に反動があるが、火薬を使うためにそれよりもきつい反動がある。それに加えてその重量では、身軽な戦士には当たらんよ」
そして、
「正直、自分の武器がドラゴンに利くとは思っていないのだろう?」
「! それ、は……」
「私も同じ気持ちだ」
素直なベリルの言葉に驚く。
「人が築き上げてきたもの。ドラゴンはそれを一瞬で消し去るだろう」
そうして、いくつもの集落、民族が滅びている。
「人が築いてきたもので対抗出来るのか、不安ではある。だが、それを成さねば勝利は無い」
ベリルは、そのエメラルドの瞳を一度閉じリエルに目を向けた。
「私の力もお前の武器も、魔法も特殊な力も人が長きに生きてきた証だ。長所も短所も許容したうえで尊重せねばならない」
道具は道具でしか成り得ない。
そこに、人の感情が加わった時……道具は初めて善と悪を成す。