王国ファンタジア【流浪の民】
「ね、ね、ひーくん。一杯人がいるね」

 カナリア色のうずらは、ほおづき色の髪と緋色の瞳の少年の頭の上で楽しそうに言った。

「おう! 俺が一番強そうだけどな!」
「そ、そうだね」

 長老の息子のライジから召集令状をかっぱらってここにいる人間が、何を言ってるんだろう……

 喋るうずらの菊は半ば呆れて応えた。

「威勢が良いな」

 後ろから声をかけられ、振り返る。そこにはベリル。

 少年はいぶかしげにベリルを見つめる。

「……おっさんは?」
「ひーくん! 失礼だよ」

「ベリルだ」

 言って、ベリルは右手を差し出す。15歳の少年はニッと笑ってそれに応えた。

「俺、緋色羽(ヒイロウ)よろしくな!」
「ヒイロウ? ライジではないのか?」

 ギクリ……

「え、えーとそれは」

 うずらのキクは慌てて言い訳……もとい説明を始めた。
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