薔薇とアリスと2人の王子
「とんだ災難だな」
イヴァンがふてぶてしく椅子に腰かけると、野獣に言った。
「今更何だ?」
「……あの女も、しばらくしたら“大切なもの”に気付くだろう」
脈拍が感じられない彼の言葉に野獣は首をかしげたけど、何も言わなかった。
< 11 >
一方、クララの部屋へやって来たアリスは驚いた。部屋に彼女がいないんだからね。
仕方なしに、その場にいたカールに聞いてみることにしたよ。
「クララさんはどこ?」
彼は部屋のベッドで呑気に読書なんてしててさ。アリスの言葉に寝転んでいた身体を起こす。
「野獣を殺しにいったよ」
「は?」
「ついさっき」
アリスは飛び上がって、大急ぎで2階へと駆けていった。後ろからカールもついて来る。
事態は大変な事になりそうだ。