薔薇とアリスと2人の王子

act7 ラプンツェル

7.

 アリス達がやって来たドロローソの国ってのは、魔女が栄えた国で、国全体がなんだか怪しかった。

 魔女が処刑された今は、この国に魔女なんてほとんどいないけどさ。


「うわぁ、見て、みんな家が黒だわ」

 アリスが嬉しそうに声をあげた。この国の民家はみんな黒塗りのレンガでさ。

「魔女が栄えた国だからね」

「でも、人気(ひとけ)がないわね……」

 ぽつりぽつりと人はいるけど、昼間にしては賑わいがなくてね。
 3人はトボトボと歩いていた。

「あれは塔か?」

 森のほうを指したのはイヴァンだよ。

 森から頭が飛び出ているのは、塔だったんだ。城があるわけでもないのに、奇妙だったよ。

「行ってみましょう!」

 アリスの旺盛な好奇心が抑えられるわけないさ。
 兄弟を半ば無理矢理、森に連れこんだ。
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