クロスロード
私は舞姫ちゃんみたいにはっきり言いきれないから、こういう性格って羨ましいかも。
なんてしみじみ思っていると神崎君に「ていうか何か用だった?」と突っ込まれた。
「あ、えーと……」
次の言葉を探しながらも視線は生徒会室の奥にある資料室へ。
視線の先を察してくれたのか、
「入っていいよ」
と、神崎君があっさり放つ。
「あ、ありがとうございます!」
その言葉を聞いた瞬間走り出し、資料室の前に立ちはだかる。
自分で言うのも何だけど、私、や、やればできる……!
でも緊張するなあ……
最近、喋るどころか姿さえ見ていない。
同じ敷地に住んでるのに遠い存在の彼は、婚約してからも変わらないままで。
こうやって学校で会うことしかできない。
……いや、実際学校でも喋らないけど。
ようやく意を決め、コンコンッとドアをノックする。
「あ、あの、入ってもいい……ですか?」